統合失調症で障害年金はいくらもらえる?受給できる人の条件や申請ポイントを社労士が解説!

こんにちは、社会保険労務士の豊田です。
こちらの記事では統合失調症の方が障害年金を申請する際のポイント・実際に受給が出来た事例をお伝えします。
一人で生活が困難… 特に仕事をすることが難しい という方は対象の可能性があるので是非ご覧ください。

統合失調症とは

統合失調症とは、こころや考えがまとまりづらくなり、幻覚や妄想といった陽性症状、感情の平板化、思考の貧困、意欲の欠如、引きこもりといった陰性症状、記憶力、注意・集中力、判断力の低下といった認知機能障害のような症状があります。100人に1人はかかる病気で、思春期から40代くらいまでに発症しやすいといわれています。
患者本人にとっては現実に起こっていると思い込んでいても、周囲には理解されず、社会的に孤立してしまうなど人間関係に支障きたすこともあります。また、自己判断で治療をやめてしまい、症状が悪化するなど治療が進まず、苦しんでしまうことも少なくないようです。

障害年金とは

障害年金とは、病気やケガなどで日常生活に支障があったり、今までどおりに働くことが難しくなった場合などに、一定の条件を満たしていればもらうことができる公的な制度です。 視覚・聴覚・手足の不自由だけでなく、がんや高血圧、糖尿病による合併症や心疾患、うつや統合失調症などの精神疾患など、数多くの病気やケガが対象とされています。

統合失調症で障害年金はいくらもらえる?

もらえる金額は次のとおりです。

⑴障害基礎年金(年額)
1級 1,020,000円+子の加算
2級 816,000円+子の加算

⑵障害厚生年金(年額)
1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級+配偶者加算額
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級+配偶者加算額
3級 報酬比例の年金額

詳細はこちらをご確認ください。

統合失調症で障害年金を受け取るためのポイント

次の3つの要件を満たす必要があります。

1 初診日要件

初めて医師の診察をうけ、病気を診断された日です。初診日が65歳未満であることも必要です。

2 保険料納付要件

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの期間で、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること(厚生年金や共済組合加入期間の期間も含む)。
ただし、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前に初診日がある場合は、納付要件は不要です(ただし、一定以上の年間所得があると支給額の制限があります)。

3 障害認定日要件

障害認定日は初診日から1年6か月を経過した日を指します。
この日の時点で国が定める認定基準に該当しているかを審査します。
障害年金は、障害基礎年金(国民年金)、障害厚生年金の2種類あり、障害基礎年金は1級と2級、障害厚生年金は1〜3級という程度を表す等級があります。

各級の認定基準は次のとおりです。

1級 1 統合失調症によるものにあっては、高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
2 気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級 1 統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があるため 人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、 日常生活が著しい制限を受けるもの
2 気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障 害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 1 統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
2 気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障 害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの

以上のように、特に3級では、労働が制限を受けるものとあるように、必ずしも働いていないことが障害年金を受給できる要件ではないということがわかります。
さらに障害年金の審査においては、現症だけでなく、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮しています。

このような基準を判定するためのガイドラインが平成28年度に策定されています。
<国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン>
診断書(精神の障害)において、日常生活能力の判定と日常生活能力の程度という項目があり、これらの評価により、等級の判定の目安としています。

日常生活能力の判定
⑴適切な食事
⑵身辺の清潔保持
⑶金銭管理と買い物
⑷通院と服薬
⑸他人との意思伝達及び対人関係
⑹身辺の安全保持及び危機対応
⑺社会性
下表のように各項目を数値化していき、その平均値を取ります。

できる 自発的にできるが時には助言や指導を必要とする 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

 

日常生活能力の程度
⑴精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。
⑵精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
⑶精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
⑷精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
⑸精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。
となっており、これを医師に記入してもらいます。

上記の日常生活能力の判定で取った平均値と日常生活能力の程度で記入された数値を合わせると下表となっています。
なお、障害基礎年金には3級がありませんので、3級のところは「2級非該当」と読み替えてください。
また、この表によって必ず等級に該当することを保証するものではないので、目安として見ていくことが大切です。

この他に、1件ごとに現在の病状または状態像、療養状況、生活環境、就労状況、その他の要素を総合評価して判断するという仕組みになっております。

障害年金の申請に必要な書類

受診状況等証明書
初診日を特定するために必要な書類ですが、初診日から同じ病院を通院している場合は取得不要です。
初診日に行った病院が閉院していたり、カルテがすでに破棄されている場合でも対応方法はございます。

診断書
障害認定日から3か月以内の状況を医師に書いてもらいます。
すでに期間が経過しており、遡及して請求する場合は障害認定日から3か月以内のものと請求時点のものの2つを作成してもらいます。

病歴・就労状況等申立書
発病時から現在までの時系列を申告するためのもので、請求者が自分で作成する書類です。
精神障害ではこの書類の内容も非常に重要になりますので、作成は慎重に行いましょう。

働きながら障害年金をもらえるか

3級の認定基準に「精神に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著し い制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とあるように、働いていてもその仕事(作業)内容に何かの制約があるときは障害年金を受給することはできると読み取れます。ただし、いわゆるフルタイム勤務(1日8時間労働など)のように他の人と同じように働ける場合は障害状態にないと見ることもできるため、働き方には注意が必要です。

例:受給できそうなケース
・障害者枠雇用の方
・休職中の方
・仕事において会社から特別な配慮をしてもらっている方
・パート、時短勤務のような労働に制約が必要な方

受給しづらいケース
・正社員雇用
・フルタイム勤務

・これから申請する人
精神の障害の診断書と病歴・就労状況等申立書には就労に関する内容の記載を求められます。医師との普段からコミュニケーションを取っておき、診断書には状況をしっかりと記入してもらいましょう。

・すでに受給中の人
更新では、申請時と同様に診断書を求められますのでこちらも医師との普段からコミュニケーションを取っておき、診断書には正確な内容を記入してもらいましょう。

永久認定と有期認定について

障害年金の申請が認定されると障害によって、永久認定と有期認定に分かれます。
永久認定とは、手足や視力の欠損のように障害の状態に改善がない場合に障害等級に変更がないことをいいます。
ただし、さらに悪化した場合は改定請求をすることができますのでご注意ください。
また、有期認定とは、一定の期間が経過したときに再度、障害の状態について確認をするものです。
統合失調症は、ほとんどの場合において有期認定に該当します。
障害によって期間が決まっているのではありませんが、通常1〜5年に一度、年金証書に記載されている診断書提出の指定月の3か月前に障害状態確認届(診断書)が届きます。
誕生月の末までに指定日前3か月の間に受診をした診断書を提出します。
提出が遅れると年金が一時差し止めになる場合がありますので注意しましょう。
等級に変更が無い場合は、次回の診断書提出についてのお知らせハガキが、支給停止や等級に変更がある場合は、支給額変更通知書がそれぞれ送付されます。

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ここまでご覧いただきありがとうございました。 統合失調症での障害年金申請のポイントは以上です。 障害年金の申請に少しでも不安がある方は専門家への相談がおすすめです。 当事務所は初回の相談は無料です。 ご予約はこちら

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