糖尿病を抱える人のための障害年金制度の活用方法について社労士が解説!

こんにちは、社会保険労務士の豊田です。
こちらの記事では糖尿病の方が障害年金を申請する際のポイント・実際に受給が出来た事例をお伝えします。
一人で生活が困難… 特に仕事をすることが難しい という方は対象の可能性があるので是非ご覧ください。

糖尿病とは

糖尿病とは、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが十分に機能せず、血糖値が下がらず、血糖が増えてしまう病気です。それが原因で様々な症状・疾患を引き起こします。
一般的にI型、Ⅱ型と分類されますが、どちらでも障害年金をもらうことができます。

障害年金とは

障害年金とは、病気やケガなどで日常生活に支障があったり、今までどおりに働くことが難しくなった場合などに、一定の条件を満たしていればもらうことができる公的な制度です。 視覚・聴覚・手足の不自由だけでなく、がんや高血圧、糖尿病による合併症や心疾患、うつや統合失調症などの精神疾患など、数多くの病気やケガが対象とされています。

糖尿病で障害年金はいくらもらえる?

糖尿病で血糖値が安定しない方で後述する基準に該当する方については、3級に該当します。
次の障害年金を受け取るためのポイントでも言及しますが、初診日の時点で国民年金に加入していた(厚生年金に加入していない)ときは障害年金をもらえないことがあります。 ただし、さらに重度の症状であれば上位等級になることもあり、絶対にもらえないというわけではありません。
もらえる金額は次のとおりです。

⑴障害基礎年金(年額)
1級 1,020,000円+子の加算
2級 816,000円+子の加算

⑵障害厚生年金(年額)
1級 報酬比例の年金額✖️1.25+障害基礎年金1級+配偶者加算額
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級+配偶者加算額
3級 報酬比例の年金額

詳細はこちらをご確認ください。

糖尿病で障害年金を受けるポイント

糖尿病は、糖尿病そのものの症状、糖尿病合併症により、認定基準が異なってきます。ここでは糖尿病そのものの症状での申請におけるポイントを解説します。

次の3つの要件を満たす必要があります。

1 初診日要件

初めて医師の診察をうけ、病気を診断された日です。初診日が65歳未満であることも必要です。

2 保険料納付要件

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの期間で、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること(厚生年金や共済組合加入期間の期間も含む)。
ただし、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前に初診日がある場合は、納付要件は不要です(ただし、一定以上の年間所得があると支給額の制限があります)。

3 障害認定日要件

障害認定日は初診日から1年6か月を経過した日を指します。
この日の時点で国が定める認定基準に該当しているかを審査します。
障害年金は、障害基礎年金(国民年金)、障害厚生年金の2種類あり、障害基礎年金は1級と2級、障害厚生年金は1〜3級という程度を表す等級があります。

認定基準

糖尿病は代謝疾患による障害にその基準があります。
各級の認定基準は次のとおりです。

1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

 

認定要領

次のとおり要件を満たすと3級に認定されます。
糖尿病については、必要なインスリン治療を行ってもなお血糖のコントロールが困難なもので、次のいずれかに該当するものを3級と認定する。 ただし、検査日より前に 90 日以上継続して必要なインスリン治療を行っていることについて、確認のできた者に限り、認定を行うものとする。なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値が 0.3ng/mL 未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

 

一般状態区分表

先ほどの認定要領において3級に該当するのは、イ、ウに当たるときです。

無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

申請のポイント

糖尿病による障害年金の申請は、3級の認定が多いため、初診日で厚生年金に加入している必要があります。もちろん、2級以上の上位等級も認定されることもありますので、必ず3級しか認定されないと言うわけではありません。
また、申請にあたり、次のことに注意が必要です。

初診日の特定

糖尿病は発症して初めて病院に行くこと、障害認定基準に当てはまるまでが長期間であることが多く、時には10年以上となることもあるため、初診日の特定が難しくなることがあります。例えば、途中で転院し、転院前の病院のカルテ等の受診記録が残っておらず、初診日を証明するものが取れない場合です。
まずはいつが初診日になのかを整理して、書類が取得できるか病院に確認し、できない場合には、別の方法で対応します。

治療内容や日常生活状況を細かく洗い出す

先ほど述べたとおり、発症から現在までの期間が長期に及ぶために、初診日、障害認定日、長期になるときは申請時までの状況を細かく整理しておかなければなりません。中でも治療内容や食事・運動状況、日常生活における困難や障害などを病歴・就労状況等申立書に細かく落とし込んでいきます。

診断書との整合性

診断書の記載内容と病歴・就労状況等申立書に齟齬がないようにしなければなりません。そのためにも医師との普段からコミュニケーションや書類作成の際の情報提供を的確に行う必要があります。

よくある質問

➀合併症で申請する時はどうなる?

合併症がある場合は、先ほどの認定基準と別の基準での認定となります。
さらに部位や症状に合わせて作成する診断書の種類も異なります。
・糖尿病性網膜症による眼の障害  → 眼の障害の認定基準
・糖尿病性壊疽による運動障害、神経障害  → 肢体の障害の認定基準
・糖尿病性腎症(人工透析等)  → 腎疾患による障害の認定基準

②診断書を書く際の注意点

糖尿病単独と合併症では先述のとおり、認定基準が異なるため、作成する診断書の種類が異なります。 また、合併症を発症している場合では、障害認定日が通常よりも早まることがありますので注意しましょう。

③国民年金に加入していたら受給できない?

3級での認定が多いため、3級ですと障害基礎年金はもらえません。ただし、先述の合併症を発症している場合や障害状態が重度であれば、2級以上の上位等級に認定されることもあります。

④糖尿病で障害年金はいくらもらえる?

障害年金の金額は次のとおりです。
⑴障害基礎年金(年額)
1級 993,750円+子の加算
2級 795,000円+子の加算
⑵障害厚生年金(年額)
1級 報酬比例の年金額✖️1.25+障害基礎年金1級+配偶者加算額
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級+配偶者加算額
3級 報酬比例の年金額
詳細はこちらをご確認ください。

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ここまでご覧いただきありがとうございました。 糖尿病での障害年金申請のポイントは以上です。 障害年金の申請に少しでも不安がある方は専門家への相談がおすすめです。 当事務所は初回の相談は無料です。 ご予約はこちら

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